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これで安心!タブレットの破損・紛失・持ち帰りルール、保護者への説明ポイントまとめ

これで安心!タブレットの破損・紛失・持ち帰りルール、保護者への説明ポイントまとめ

目次

GIGAスクール構想により、全国の小中学校で1人1台端末の整備が進み、授業や家庭学習での活用が当たり前になってきました (2025年4月現在)。しかし、その一方で、多くの学校で課題となっているのが、端末の破損・紛失といったトラブルや、持ち帰り・家庭での利用に関するルール作り、そしてそれらに関する保護者への丁寧な説明ではないでしょうか。

「もし子どもがタブレットを壊したら、弁償になるの?」 「家で使う時のルールはどうすればいい?」 「学校の説明だけでは、よく分からない点がある…」
このような保護者の疑問や不安に的確に応え、学校と家庭が協力してタブレット活用を進めていくためには、明確なルール設定と、分かりやすい説明が不可欠です。

この記事では、学校の先生方(特に管理職、ICT担当、学級担任の皆様)に向けて、タブレットの破損・紛失・持ち帰りに関するルール作りのポイントと、保護者への説明で押さえておくべき必須項目、よくある質問への回答例などを、網羅的に解説します。

なぜタブレットのルールと保護者への説明が重要なのか?

なぜタブレットのルールと保護者への説明が重要なのか?

ルール作りと丁寧な説明が重要な理由は、主に以下の3点です。

1.トラブルの未然防止

明確なルールを示すことで、生徒は端末を丁寧に扱う意識を持ち、保護者は家庭での見守りや声かけをしやすくなります。
また、教職員も個人の判断で迷うことなく、ルールに基づいて管理・指導をすることができます。

2.共通認識の形成

学校と家庭が同じルールを理解・共有することで、いざという時の対応がスムーズになり、混乱を防ぎます。特に費用負担などデリケートな問題は、事前の合意形成が極めて重要です。

3.信頼関係の構築

学校側がルールや対応方針を誠実に、分かりやすく説明する姿勢を示すことで、保護者の不安を和らげ、学校への信頼感を高めることができます。

まず決めるべき!タブレット利用の基本ルール(校内編)

保護者に説明する前に、まずは校内での基本的な利用ルールを明確に定め、教職員間で共通理解を図ることが大切です。

端末の扱い方

  • 持ち運ぶ際は必ず両手で持つ、走らない
  • 机の上に置く際は、落下しない場所に置く(例:机の中央)
  • 飲食しながらの操作は禁止
  • 画面を強く押したり、叩いたりしない
  • キーボードの取り扱い(着脱式の場合)

保管・充電

  • 授業外での保管場所(充電保管庫など)
  • 充電のタイミングと方法(当番制など)

利用場面

  • 学習活動以外での利用は原則禁止
  • 休み時間や放課後の利用ルール

禁止事項

  • 個人情報やパスワードの管理(他人に教えない、メモを貼らない)
  • 不適切なサイトへのアクセス、アプリの無断インストール
  • 他人への誹謗中傷、写真の無断撮影・公開

その他

  • 端末へのシール貼りや落書きの禁止
  • 清潔に保つこと(手洗い後の使用など)

これらのルールは、低学年にも分かりやすい言葉で伝え、教室に掲示するなどの工夫も有効です。

【最重要】破損・紛失時の対応ルールと責任の所在

ここが保護者にとって最も関心が高く、説明が難しい部分です。学校(設置者である自治体)としての方針を明確にし、誠実に伝える必要があります。

1. 状況別の対応フローを明確にする

どのような場合に、どのような手続きが必要になるのかを具体的に示します。

通常使用における自然故障

(例)「通常通り使っていて、急に電源が入らなくなった」
対応:原則として学校(設置者)負担で修理・交換。保護者への費用請求はなし。
手続き:速やかに担任に報告 → 学校で状況確認 → 修理・交換手配。

故意・過失による破損・汚損

(例)「ふざけて投げて落とした」「飲み物をこぼした」「画面を強く叩いて割れた」
対応:ここが最も重要。自治体や学校の方針により対応が異なります。
 ■選択肢A:原則として保護者に修理費用の一部または全額を負担していただく。
 ■選択肢B:過失の程度に応じて個別に判断する。
 ■選択肢C:保険(自治体やPTAで加入している場合)を適用し、自己負担額のみ請求、または請求なし。
 ■選択肢D:教育活動の一環として、原則費用請求はしない(ただし、悪質な場合は除く)。
手続き:速やかに担任に報告→学校で状況確認(聞き取り、現物確認→保護者へ連絡・相談→修理手配と費用負担に関する手続き。

紛失・盗難

(例)「学校や持ち帰り途中でなくしてしまった」「盗まれた可能性がある」
対応:まずは徹底的に捜索。発見できない場合、これも自治体や学校の方針によります。
 ■故意・重過失が認められる場合は、弁償(端末代金相当額)を求める可能性がある。
 ■保険が適用される場合もある。
手続き:速やかに担任に報告 → 全力で捜索 → 発見できない場合は保護者へ連絡・相談 → (必要に応じて)警察への届け出 → 弁償・保険に関する手続き。

2. 費用負担に関する考え方を丁寧に説明する

公費負担の原則

「通常の使用における故障については、公費で対応します」と明確に伝える。

故意・過失の場合の方針

上記の選択肢のうち、学校(自治体)として定めた方針を具体的に説明する。費用負担をお願いする可能性がある場合は、その根拠(例:〇〇市教育委員会の規定に基づき…)と想定される金額の上限なども、可能な範囲で示すと、保護者の不安軽減につながります。

保険の有無と内容

自治体やPTAでタブレット用の保険に加入している場合は、その補償範囲、自己負担額、申請手続きについて詳しく説明する。加入していない場合は、その旨も伝える。

※重要※
費用負担については、非常にデリケートな問題です。曖昧な説明は避け、決定事項として定められた内容を、根拠とともに誠実に伝えましょう。必要であれば、教育委員会等と連携して説明資料を作成することが望ましいです。

家庭学習での活用促進!持ち帰りルールのポイント

持ち帰りを実施する場合は、家庭での適切な利用を促すためのルール設定と説明が重要です。

持ち帰りの目的

  • 家庭学習の充実、探求的な学びの深化など、目的を明確に伝える

持ち帰りの判断

  • 毎日持ち帰るのか、週末のみか、課題がある時のみかなど、学校としての方針を示す。
  • 持ち帰らない場合の校内での保管方法も伝える

持ち運び

  • 専用ケースに入れる、ランドセル(カバン)の所定の場所に入れるなど、安全な持ち運び方法を具体的に指示する
  • 雨天時の対策(ビニール袋に入れるなど)

家庭での保管場所

  • 安全な場所(例:安定した机の上、棚の中など)に保管するよう依頼する
  • ペットや幼児の手の届かない場所、水気のない場所

充電

  • 家庭での充電をお願いする場合は、充電するタイミングや方法を伝える(例:就寝中に充電するなど)
  • 充電アダプターの管理についてもルールを決める(学校保管か、家庭持ちか)

利用時間・内容

  • 「学習目的以外には使わない」「1日の利用時間は〇時間まで」など、家庭でのルール作りの参考となるガイドラインを示す(最終的なルールは各家庭で決めてもらう)
  • 就寝前の利用制限(睡眠への影響)なども呼びかける

フィルタリングと機能制限

  • 学校で設定しているフィルタリングの内容や、一部機能(アプリのインストールなど)を制限していることを説明する(MDM: モバイルデバイス管理)
  • 有害情報から子どもを守るための措置であることを伝える

家庭でのトラブル発生時の連絡体制

  • 「家で壊してしまった」「ログインできなくなった」などの場合に、いつ、誰に、どのように連絡すればよいかを明確にする(連絡帳、電話、専用フォームなど)

保護者への説明資料サンプル

ここまでにご案内した内容を反映した、保護者への説明資料サンプルです。
是非参考にしていただき、学校のルールや方針に沿った説明資料を作成してください。

保護者への説明資料サンプル

PDFファイルのダウンロードはこちらから

【Q&A】保護者からよくある質問と回答例

【Q&A】保護者からよくある質問と回答例

事前に想定される質問と回答を用意しておくと、保護者からの問い合わせ時にスムーズに対応できます。

Q1. 壊したら、必ず弁償しないといけないのですか?

A1.「通常通り大切に使っていて故障した場合は、費用をご負担いただくことはありません。ただし、投げたり叩いたり、わざと壊した場合や、重大な不注意で壊してしまった場合には、修理費用の一部または全額をご負担いただく可能性があります。これは〇〇市(町・村)の規定に基づいています。詳しくは配布資料のP〇をご覧ください。ご心配な点があれば、個別にご相談ください。」

Q2. タブレットの利用時間を制限したいのですが、学校で設定できますか?

A2.「学校のタブレットには、学習に不要なサイトへのアクセスを制限するフィルタリング機能や、アプリのインストール制限などが設定されています。しかし、ご家庭での利用時間をシステムで一律に制限することは、現在の仕組みでは難しくなっております。大変恐れ入りますが、利用時間につきましては、各ご家庭でルールを決めていただき、お子様と話し合いながら管理していただくようお願いいたします。目安となる時間などについては、資料にも記載しておりますのでご参照ください。」

Q3. 家でWi-Fiがないと使えませんか?

A3.(自治体によって対応が異なるため、実情に合わせて回答)「このタブレットは、インターネットに接続して利用する機能が多くあります。ご家庭にWi-Fi環境がない場合、利用できる機能が制限されることがあります。Wi-Fi環境がないご家庭への支援として、〇〇(例:モバイルルーターの貸与など)を行っておりますので、該当される場合は別途ご相談ください。」/「オフラインでも利用できる学習アプリも入っています。Wi-Fiがない環境での活用方法については、別途ご案内いたします。」

Q4. 子どものアカウントやパスワードが分からなくなったら?

A4.「アカウントやパスワードは非常に大切な情報ですので、ご家庭でも管理にご協力をお願いいたします。もし分からなくなってしまった場合は、お子様から担任にご報告ください。学校で初期化や再設定を行います。」

Q5. 兄弟(姉妹)も使っていいですか?

A5.「このタブレットは、〇〇さん(児童生徒の名前)の学習のために貸与しているものです。アカウントも個人専用となっておりますので、原則としてご本人以外の使用はご遠慮ください。ご理解とご協力をお願いいたします。」

まとめ:丁寧な準備と説明で、安心・安全なタブレット活用を

一人一台タブレット端末は、子どもたちの学びを豊かにする強力なツールです。しかし、その効果を最大限に引き出すためには、破損・紛失のリスクや、家庭での利用に関する不安を、学校と家庭が共通認識を持って乗り越えていく必要があります。 そのためには、

  • 明確で実情に合ったルールを設定すること
  • 保護者の疑問や不安に寄り添い、誠実かつ丁寧に説明すること

この二つが不可欠です。特に、費用負担などデリケートな問題については、学校(自治体)としての方針を明確にし、根拠とともに分かりやすく伝える努力が求められます。


この記事でご紹介したポイントやQ&A例などを参考に、貴校でのルール整備と保護者説明の準備を進めていただき、児童生徒、保護者、そして学校自身も安心してタブレット活用を進められる体制を築いていきましょう。

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