スクールバス乗車名簿の作成を自動化。Chimeleeを活用した保護者連絡とバス運行業務のICT化で校務DXが前進。作業時間は4分の1に
東庄町立東庄小学校
木内校長先生、東庄町役場教育課学校教育係主査 河津様

その他の導入実績
千葉県香取郡東庄町にある東庄町立東庄小学校では、2024年4月から学校向け保護者連絡システム「Chimelee(チャイムリー)」を導入しています。児童472名が在籍する同校におけるChimelee(チャイムリー)の導入と活用について、木内校長先生と、東庄町役場教育課学校教育係主査 河津様へお話を伺いしました。
目次
東庄小学校について
まずは東庄小学校について教えてください。
河津様 東庄小学校は、少子化により児童数が減る中で近辺の5校を統廃合したことにより、2020年に新しく誕生した小学校です。
児童数は2024年12月時点で472名、各学年3クラス(1、6年生は2クラス)の編成となっています。
東庄町全体から児童が来ているので、統廃合のタイミングでスクールバスの新設が必須という状況でした。

東庄小学校内、玄関の様子。
スクールバスの新設については、まだ小学校での事例も少なく大変だったことと思います。
河津様 私の前任者が担当していたのですが、バスの導入は一大プロジェクトでしたし、現場での混乱もあったと聞いています。
東庄小学校のスクールバス路線は全部で9コース、停留所は31箇所を設置しており、広範囲の通学エリアをカバーしています。
中でも、ルート選定をするのが一番大変だったと聞いていますね。
ルート一周に45分程度を想定し、児童の居住エリアをもとにバスが通る道を選定し、分単位で時刻表を作成したそうです。


東庄小学校のバス乗り場の様子。スクールバスは観光バス会社の協力のもと運用しているそう。
スクールバスの運用について特に配慮したことはありますか。
河津様 特に重視したのは、やはり子どもたちの安全性ですね。
過去に千葉県では、飲酒運転により下校中の小学生が死傷する痛ましい事故もあったため、通学の安全には特に慎重な対策をしています。
スクールバスに使用するのは中型バスなので、通るルートはある程度の道幅が求められます。
また停留所にもそれなりに広い場所が必要なので、ルート付近の空地や公民館などを洗い出し、停留所として使えるよう調整を重ねました。
また、通学に慣れていない1年生は停留所での保護者への引き渡しを実施しています。

今回インタビューにご協力いただいた、東庄町役場教育課学校教育係主査 河津様。
スクールバスの名簿作成の負担が課題に
システム導入前の課題を教えてください。
木内先生 スクールバスの乗車希望管理(バス名簿の作成)の簡略化です。
バスでは子どもたちを置き去りにしないよう、毎日どの児童がどの停留所から乗るのか、名簿を作成する必要があります。
しかし、毎日同じ時間に決まった子が乗るわけではありません。
当日の急な欠席や早退の発生はもちろん、曜日ごとの時間割や学童の利用有無などによって、日々どの便に誰が乗るのか、名簿に変動があります。
この名簿の作成にとても時間がかかっていました。
バス名簿はどのように作るのですか?
木内先生 児童一人に一枚ずつ「バスカード」を配付して、毎日バスに乗るか乗らないかを記入してもらっていました。
登校した際に当日の下校時と翌日の登校時の乗車有無を記入したバスカードを提出してもらうという運用です。
そしてバスカードの『乗る・乗らない』の記載を、表計算ソフトで作成したバス名簿(乗降場所がわかる児童名簿)に転記していきます。
カードを見ながら一人ひとり記入する必要があり、とても時間がかかっていました。

名簿の管理・運用はどなたが担当されていたのですか。
木内先生 これまでは町雇用の学校支援員のパートの方に、バス担当として名簿の管理やチェックを担当いただいていました。
約75%の児童がバスを使っているので量が多いのはもちろん、「朝は乗るけど帰りは早退するため乗らない」など確認事項が細かいためチェックが大変です。
その後、各クラスの担任の先生への確認をお願いしていました。
また、欠席の児童もいるので出席簿との照らし合わせが必要ですし、バスカードの提出忘れがある子は本人や保護者に確認が必要なんです。
毎日のことなので大変ですよね。
木内先生 絶対に間違いや見落としをしてはいけないというプレッシャーもあります。名簿にミスがあれば子どもを置き去りにしてしまう可能性がありますからね。
この一連のアナログなバス業務の効率化は大きな課題でした。
またバス専任のパートの方を雇用していたので、業務効率化を実現すれば経費を削減できるのではないかと考えたんです。

東庄町立東庄小学校 木内校長先生
遅刻・欠席連絡とバス乗車希望が取れるのがChimelee(チャイムリー)の決め手
システムはどんな基準で選定していたのですか?
木内先生 バス名簿の課題解決のためには、毎日のバス名簿に児童の出欠情報が連動するようなシステムを使う必要があります。
そのような課題があった中、教育委員会の担当者が、教育課に届いたChimelee(チャイムリー)のチラシを学校に持ってきてくれたんです。
「欠席・早退の連絡とバスの乗車管理がアプリでできる」と知って関心を持ちました。
Chimelee(チャイムリー)の魅力はどんな点でしたか。
木内先生 Chimelee(チャイムリー)で作成できるバス名簿は、保護者からの出欠連絡が自動で反映されることです。
遅刻や欠席の電話を受けたら、その都度バス名簿に反映しなければならなかったので、バス名簿が欠席連絡と紐づいているのがかなり便利なんですよね。
それに朝の忙しい時間に電話しなくても、アプリで欠席・遅刻の連絡ができるのは便利ですよね。保護者の方も大変でしょうし、教員の負担にもなっていたので、この機会に改善できればと思いました。

なるほど。Chimelee(チャイムリー)の他に校務支援システムもお使いとのことですが、どのように使い分けをされていますか?
木内先生 校務支援システムでは出席管理などを行っています。
ただし、Chimelee(チャイムリー)でも保護者から受け付けた欠席等情報をもとにクラス毎の出欠簿が作成されるので、校務支援システムに登録する際の参考にしています。
本校では、単純な遅刻欠席連絡のみでなくスクールバスに適した機能も必要なので、無理に1つのシステムに統合せずに、保護者連絡の役割はChimeleeに集約、児童管理については校務支援システムで行うというように切り分けています。
Chimelee(チャイムリー)の導入の決め手は他にもありますか。
河津様 町ではバス担当専任として学校支援員のパートの方を一人雇用していたので、Chimelee(チャイムリー)の導入費用よりも、人件費削減の効果が大きかったんですね。
バス業務の煩雑さは以前から悩みの種だったので、業務効率化と経費削減の双方を実現できたのでよかったです。
教育委員会では予算取りの期限ギリギリの時期でしたが、Chimelee(チャイムリー)は月額9,000円(税抜)と良心的な料金設定なこともあり、なんとか次年度で導入を決めることができました。
POINT
・スマホアプリで遅刻、欠席連絡を受付
・バスの乗車希望もスマホアプリで入力可能
・保護者の連絡をシステム内で反映し、バス名簿を出力
バス名簿の自動作成で負担解消!バス会社との連携も楽に
Chimelee(チャイムリー)をどのようにお使いになっていますか。
木内先生 今では、バスカードの記録・電話での遅刻欠席連絡の代わりに、Chimelee(チャイムリー)を使っています。

Chimelee(チャイムリー)を使用すると、欠席等連絡とバスの不要連絡を一度に入力することができます
保護者の方には、欠席やバスに乗らない場合はアプリから連絡してもらっています。
未来の日程も入力できるので、既に予定が決まっている日は前もって入力してくれる保護者も多いです。
遅刻や欠席、早退をする際は、出欠の連絡といっしょにバス乗車も選択できるので、朝の忙しい時間でもサッと入力できるのでいいですよね。
Chimelee(チャイムリー)を導入して朝の電話の対応件数は3分の1ほどになりました。
今は働き方改革の推進もあり、7時30分までは留守電の対応にしています。
導入後、バス名簿の管理に関する負担は軽減されましたか?
木内先生 感覚的には、作業にかかる時間は以前の4分の1になったと感じています。
バスカードを表計算ソフトの表に転記するという従来の方法だと、およそ4時間ほどかかっていました。
それに対して、今はトータル1時間ほどで作業が完了していると思います。

Chimelee(チャイムリー)導入後のバス名簿作成の流れを教えてください。
木内先生 流れとしては、朝、Chimelee(チャイムリー)でバスの乗車希望をチェック、名簿を出力・印刷し、各便ごとの乗車人数を確認するというフローになります。

今はバス会社にもChimelee(チャイムリー)へログインしてもらって、バスの添乗員さんがシステムから名簿を印刷できるようになっているので、わざわざ表計算ソフトの名簿をメールで送る手間もなくなりました。
導入にあたって不安や懸念はありましたか?
木内先生 アプリになって、保護者の方が入力を忘れるようにならないかということですね。
また、バスの利用有無は放課後児童クラブとも共有できるのかも気になっていました。
というのは、放課後児童クラブの指導員にもその日に来る児童たちのバス乗車可否を確認してもらう必要があるからです。
実際に導入してみると、放課後児童クラブの指導員も児童の休み、バスの有無を見れるので助かっているという声を聞いています。
欠席連絡もChimeleeから配信。電話対応を三分の一に削減
他にChimelee(チャイムリー)で活用している機能があれば教えてください。
木内先生 保護者への連絡全般をChimelee(チャイムリー)で行っています。
お知らせ配信
お知らせ配信機能を使って、保護者への連絡事項を送信しています。
これまでも連絡システムは使っていたものの使い勝手が今一つだったので、Chimelee(チャイムリー)に切り替えました。
PDFや写真が添付できるので、校外学習の写真を撮って保護者に配信することもあります。
Chimelee(チャイムリー)が特に便利なのが、送信先のグループを自由に作成して送れることです。
学年やクラスを指定することはもちろん「バス利用者だけに送る」「放課後子ども教室に行く人だけに送る」など、送信先の条件を設定して送っています。
やはり、保護者の方も自分に関係ないメールが沢山来るとやがてアプリを見なくなってしまいますからね。
また、災害などによる急な休校などの連絡もアプリに移行しています!
アンケート
Chimelee(チャイムリー)上で、保護者向けにアンケートを送付できるので活用しています。
PTAの出欠などで使っていますが、紙のおたよりや回答フォームサイトを使うよりも操作が簡単ですし、普段連絡に使っているアプリだからか保護者の回答が集まるのが早いですね。
健康観察
健康観察機能で、保護者から児童の健康状態の報告もアプリで送信してもらうことができます。
特に、これからの時期は感染症による学級閉鎖の判断に役立てていきたいですね。
例えば土日の間にインフルエンザの人数が増えたとき、従来では月曜日になって保護者の休み連絡を受けてからでないと学級閉鎖の判断ができなかったんです。
子どもたちが登校した後で学級閉鎖の判断をするとなると、感染の心配もありますし、保護者の方にもご迷惑をかけてしまいます。
土日の間にChimelee(チャイムリー)に感染連絡などを入れておいてもらえたら、登校の時間までに連絡が入れられるので、今年は活用していきたいと思います。
Chimelee(チャイムリー)の使い勝手はいかがでしょうか。
木内先生 マニュアルを使わなくても直感的に操作できるくらいわかりやすいです。
操作が難しくないので職員や保護者の方も戸惑うことなく使っている印象ですね。また、保護者アプリは「ガラケー」にも対応しているのがとても安心しました。
また、設定の変更などが必要になっても、電話でのサポート対応やマニュアルも完備されておりすぐに解決できて助かっています。

左:学校向けの管理画面の使用イメージ。右:保護者向けスマホアプリの使用イメージ。
Chimelee(チャイムリー)の導入スケジュール
実際の導入の流れを教えていただけますか。
河津様 新年度からの運用開始を目指して、12月頃から準備を始めていました。

12月 システムの初期設定(児童情報の登録等)
校務支援システムで管理している児童名簿があったので、児童情報の登録は思っていたよりも簡単でした。
名簿をベースに、バス利用の有無、学童の利用(通年利用、都度利用)の情報をChimelee(チャイムリー)に入力していきました。
1月~ 職員への周知
この時期にChimelee(チャイムリー)担当者と運用の打合せを行い、学校内の職員へシステム導入を周知しました。
中旬から職員のスマホにアプリをインストールして、「どんな風に保護者が使うのか」を確認しながらテストも行いました。
10日頃に保護者へおたよりを配付し、アプリをインストールしてもらうようお願いをしました。
操作がわからない方には来校してもらい、学校でアプリ操作を教えることもありました。
18日までにアプリの登録をしてもらい、お試しメールを配信して4月開始に向けて準備を進めました。
3月 保護者への周知
4月 Chimelee(チャイムリー)の運用開始
4年生以上の保護者は既にバスカードの運用で慣れているため、一斉にアプリへ切り替えましたが1~3年生は保護者に慣れてもらうために段階的に導入していきました。
今後のChimelee(チャイムリー)活用について
今後の運用についてや、Chimelee(チャイムリー)へ期待するポイントを教えてください。
安全管理のために、バス各便の乗車人数の確認を行っていますが、「このバスに何名乗るか」が自動で表示されたら便利だなと思います。
人の目で確認すべきところ、システムで効率化すべきところ、それぞれしっかりと判断して、子どもたち・保護者・学校職員みんなが使いやすい運用を考えていきたいですね。
