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「園支援システム+バスキャッチ」の導入で、先生の働き方など、いろいろな取り組みを一つに集約できました。

学校法人あけぼの学園 あけぼの幼稚園
副園長 安家匠様

大阪府豊中市
学校法人あけぼの学園 あけぼの幼稚園

学校法人あけぼの学園 あけぼの幼稚園は、1954 年に大阪府豊中市で開園しました。現在では、学校法人の他に社会福祉法人もあり、豊中市と大阪市に8施設を運営しています。学校法人あけぼの学園 あけぼの幼稚園の安家 匠副園長に「園支援システム+バスキャッチ」の導入の経緯と活用例、グループでの導入、導入効果についてお話を伺いました。

目次

子どもを中心に育てる

学校法人あけぼの学園 あけぼの幼稚園について教えてください。

あけぼの幼稚園は1953年11月2日に設置認可され、翌1954年4月1日に大阪府豊中市で開園しました。その後、豊中市の要請で1975年よりあけぼの簡易保育園を併設し、1977年には社会福祉法人あけぼの事業福祉会を創設。そして1981年に学校法人あけぼの学園の設立認可を受け、2法人体制で今日にいたっています。現在、学校法人は豊中市にあけぼの幼稚園とあけぼの保育園、大阪市西区であけぼのほりえこども園を、社会福祉法人は豊中市内に認定こども園を中心に5施設を運営しています。

あけぼの幼稚園は、子どもを中心に育てること、そして大人も共に育つことに価値を置いています。子どもが子どもらしく育つために、子どもの意志決定をとても尊重し、一定のルールを守りながらも子どもの毎日の小さな一歩を認める姿勢を大切にしています。将来人間が生きていく中で最も大切な愛他心、やる気、試練を乗り越える力、自己抑制や忍耐力などの「非認知的能力」の基礎を大切に培うことを保護者と共有し、園と家族が手を取り合って子育てに励むことを目指しています。
現在、あけぼの幼稚園で270名、保育園に40名、企業主導型保育園もあり、全体で約350名が在籍しています。教職員は約80名です。

あけぼの幼稚園の園舎

あけぼの幼稚園の園舎

メンバーが活用していけそうだと判断

あけぼの幼稚園では現在、VISH株式会社の「園支援システム+バスキャッチ」を活用しています。「園支援システム+バスキャッチ」を知ったきっかけを教えてください。

最初に知ったのは、5年~6年前に園長先生と企業の方たちが集まる研修会に参加したときです。ただその頃の自分には、どういったところから改善していかなければならないというプライオリティがありました。まず保育の内容と質、そして職員の関係性の見直しなどを順番に進めて、その次がICTかなとなったのが3年~4年前です。

その頃、京都の泉山幼稚園にお邪魔する機会があり、熊谷副園長とお話ししました。すでに「園支援システム+バスキャッチ」を導入していることは知っていましたので、操作画面などを見せてもらいました。拝見して、これならうちでも使えるかな、という感覚はありましたね。また「使いやすいし、とてもいい」というお話もいただきました。
見るだけではわからないこともたくさんあるので、VISH株式会社に連絡を取り、説明を聞き、プレゼンを受けることにしました。

他のシステムとの比較検討はされましたか。

「園支援システム+バスキャッチ」以外に2つのシステムの説明を受ける予定でいました。最初にVISH株式会社に連絡を取ったのは、操作画面を見せてもらったりと、一番知っていたからです。

実際に比較検討されていかがでしたか。

実は他社の説明を聞かずに「園支援システム+バスキャッチ」の導入を決めました。理由のひとつは、コストです。初期費用はほとんどかかりませんし、ランニングコストもダメだったら止めてもいいと思える程度でした。

導入を決めたきっかけはコストでしょうか。

正確には違います。プレゼンを受けて、僕はこれでいいと思っていましたが、それが導入のきっかけではありません。実はプレゼンを受けるとき、私以外に主任や事務スタッフなど5名ほど参加をしました。この参加メンバーは、導入したら中心的に使うであろうメンバーです。そのメンバーがプレゼンを受けて、「園支援システム+バスキャッチ」ならそれほど難しくないし、活用していけそうだと判断してくれたので、導入を決めたのです。

導入の決め手は、実際に使用するであろうメンバーの意向が確認できたことなのですね。

そうですね。「園支援システム+バスキャッチ」を導入した理由は、先生たちの働き方の管理にICTを活用し、業務の削減をしたいと考えていたからです。先生たちの1日の働き方を時間で区切って見てみると、例えば電話による欠席連絡への対応など、保護者とアナログでつながっていないといけない部分が、結構な割合を占めています。しかも自分のスケジューリングを主体的に行える先生でも、電話を受けることにはまったく主体性がありません。さあやるぞと集中している時間に電話が入ったら受けざるを得ない。集中する時間が途切れ途切れになってしまいます。当園ではノーコンタクトタイム、この時間は電話連絡しないでください、という時間帯を設けていますが、そこにも電話が入ることがあります。

こうしたアナログでの対応が必要となる業務、現場にいる先生たちがやらなきゃいけないと思っている業務を、やらなくてもいいんだよと思ってもらえる機会を作ることが、「園支援システム+バスキャッチ」導入のスタートだと考えています。

「実際に使用するメンバーが活用していけそうだしと判断して導入を決めました」と安家匠副園長

「実際に使用するメンバーが活用していけそうだしと判断して導入を決めました」と安家匠副園長

あえてアナログな作業を残すことも

ノーコンタクトタイムなど、働き方の見直しはいろいろと行っていたのですか。

いろいろな取り組みを行ってきました。園から保護者へのお便りも電子化して、園のWebサイトに掲載して、紙のお便りはなくす方向で進めていました。
その一環としてラーニングストーリーを通して育ちを共有することで、連絡帳の返信、記入に割かざるを得なかった時間を、保育者が主体の時間に変えられるよう工夫してきました。
こうして取り組んできたことが「園支援システム+バスキャッチ」を導入することで、一つのシステムに集約できました。
いまお話ししたお手紙の電子化は、メール配信でれんらくアプリを通じて保護者に確認してもらえるようになりました。体調不良の連絡やお迎え変更などは、れんらくアプリの欠席連絡に集約することで、保育者が手書きで返信をすることも一切なくなりました。

ですから「園支援システム+バスキャッチ」を導入して、何か新しい取り組みを行ったというよりも、園として取り組んできたことが「園支援システム+バスキャッチ」に集約できたのです。

メール配信、欠席連絡機能から活用を始められたようですが、その他にはどのような機能をお使いですか。

そうですね。メール配信と欠席連絡、そして預かり保育を使い、オプションの保育料計算・口座振替も比較的早く使い始めました。お金に関しては、最初は保育料など固定費でスタートし、翌年から預かり保育料など変動するものも本格的に始めました。

いまではほとんどの機能を活用していますが、機能の活用は使用する保育者たちの慣れとか、もっと活用したいという気持ちを大事にしています。例えば身体計測についても、僕は最初から活用してもいいと思っていましたが、担当する看護師とクラス担任が自分たちで考えて、手書きでやりますということで、あえて手書きを残していました。それが今年度から身体計測機能を使うようになりました。今まで看護師が測定して記入した一覧から、担任の先生がクラスごとに書き写す作業がなくなりました。

あえて手書きを残す、アナログな作業を残しものは他にもありますか。

もともとは紙でのお便りがなくなることを冷たい感じがすると、保護者や保育者たちから反対の声もありました。ですから最初は手書きのものを残したりもしました。こうしたものは先生たちが慣れていくのに従い、だんだんと「園支援システム+バスキャッチ」に移行し、こちらがメインになってきています。

グループの園でも「園支援システム+バスキャッチ」を導入

現在、「園支援システム+バスキャッチ」の管理画面の操作はどなたが行っていますか。

現在では、キャプテンと呼ばれる主任と事務がほとんどの操作を行っています。厨房からのお便りは厨房で作成するようになりました。このように各セクションには担当がいて、そこでお便りの内容作成から配信の予約までを行っています。最終的な確認が僕のところへくる感じですね。

各担当は担当内容を自分たちで責任持ってやらなければならないことはわかっていても、それができる人材が育つまでは時間も必要でした。ですから、各担当できちんとできるようになったのは、今年度からです。もちろん僕もできますし、常に状況は把握していますので、大変ならサポートするよといっています。

「園支援システム+バスキャッチ」は現在、こちらだけでなくグループの他の園でも導入されていますね。その経緯を教えていただけますか。

当園が導入して間もなく、他の園でもという話になりました。その頃、ICT補助金があるので、その選択肢の一つとして伝えていました。当園が導入した後は、使いやすい、こういうことが便利になる、ということも共有しています。ですので突然のようにICTが出てきたわけではなく、各園では何とかしたい、こんなことをしてみたいという思いがあって、そこに当園での導入や補助金といったタイミングが重なって導入にいたりました。あけぼのほりえこども園以外は「園支援システム+バスキャッチ」を導入しています。

導入によって、朝事務所に1人しかいられない園では、電話が取れなかったりしますから、欠席連絡にはずいぶん助けられたと思います。事務スタッフがいない園もありますので、保育料計算があれば先生の負担は大きく削減されていると思います。

各園では環境が違いますし、子どもたちの数も職員数も異なります。ですから、どの機能を使っているか、どのような使い方をしていくのかは園ごとで異っています。中には当園よりも活用している園もあります。
子どもたちと向き合う時間を作るために事務作業を減らしたいという思いは、どの園も一緒だと思います。

「現在では各担当者が操作を行い、僕は確認するだけです」と安家匠副園長

「現在では各担当者が操作を行い、僕は確認するだけです」と安家匠副園長

園にとってなくてはならないものの一つ

「園支援システム+バスキャッチ」を評価してください。

僕が評価する立場ではないと思いますが、非常に便利に活用しており、園にとってなくてはならないものの一つになっているのは事実です。ただ、いろいろな側面があると思います。連絡機能はすごく便利で、園の運営を助けてくれるものだと思います。同時に、園の運営する大人を助けてくれるがために、保育者としてやらなければいけないこと、学ばなければならないことを「園支援システム+バスキャッチ」に取られてしまうのは必ずしもいいことだけはありません。使い手が上手に使うことはもちろん必要ですが、学ばなければいけないことを取って代られて、学ばなくてもすんでしまうことは避けたいですね。

具体的にはどのような機能が学びの妨げになっていると感じていますか。

これはVISH株式会社には最初からお話ししていますが、要録作成で定型文が出てくることには異議があります。もちろん良い部分もあると思っています。働き方の視点からいえば手軽に作成できるようになる分、先生たちの業務の削減につながると思いますし、新任の先生には要録作成のとっかかりになるでしょう。

一方で、保育の専門職として子どもたちの育ちを定型文で語っていいのかという思いがあります。若い先生たちが学ばなければいけないところ、その意欲をそいでいるのではないかと懸念しています。

ですから、当園では要録は「園支援システム+バスキャッチ」を使用せずに作成しています。先生たちには、要録はそれを読んだら誰かがわかるようにしたいね、と話しています。仮に若い先生が要録を書くときに上手く言葉をつなげなかったとしても、育ちをきちんと見てきたことは、子どもにはきちんと伝わると思います。
また、幼稚園は小学校と違って、学ぶ内容や時間割が決まっていません。子どもたちの姿を見て保育を自分で組み立てていく力が保育者には求められます。その基本となることは、子どもたちの姿から育ちを読み取ることです。システムがそのさまたげになってはいけないのではないでしょうか。

「園支援システム+バスキャッチ」は本来、保育者に求められる子どもたちと向き合う時間を作り出すためのものです。ですから僕のように管理する立場の園長や副園長が、運用の仕方をきちんと考えて、上手く使っていくことが大事になりますね。

VISH株式会社、「園支援システム+バスキャッチ」へのリクエストがありましたらお聞かせください。

動画を「園支援システム+バスキャッチ」でアップできるといいと考えています。例えばキャンプのとき、保護者は心配していますので、1日の動画を撮影して、僕が編集して当日YouTubeにアップして、限定公開しています。限定公開のURLはメール配信で保護者にお伝えします。ただ、限定配信とはいえ、 URLがわかれば誰もが見れますので、「園支援システム+バスキャッチ」のように閉じた世界で動画を公開できるといいですね。
という話をしたら、さっそく連携している株式会社スマートエデュケーションの「きっつ(KitS)おうちえん」を教えていただきましたので、検討していきたいと考えています。

僕もこうしてほしいとか、いろいろな要望をお伝えしています。それに応えてもらえることに感謝しています。今後もサポートといろいろなご提案をお待ちしています。

安家匠副園長(左)と弊社・田中(右)

安家匠副園長(左)と弊社・田中(右)

学校法人あけぼの学園 あけぼの幼稚園様、本日はお忙しい中貴重なお話をありがとうございました。

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取材日時 2022年6月

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