新型コロナウイルスや災害対策などのイレギュラーな対応に、バスキャッチは力を発揮してくれます
認定こども園 阿久根めぐみこども園
理事長・園長 輿水 基先生
その他の導入実績
鹿児島県阿久根市にある認定こども園 阿久根めぐみこども園は、2019年度に設立60周年を迎えました。
認定こども園となったのは2015年度からで、現在、0歳児を含む合計105名が在籍しています。
「園支援システム+バスキャッチ」の導入と活用について、理事長・園長の輿水 基先生にお話を伺いました。
目次
子どもは子どもの中で子どもになる
阿久根めぐみこども園について教えてください。
当園はキリスト教会が無認可で始めた「めぐみ幼児園」がルーツで、2019年度に設立60周年を迎えました。開園以来、私立幼稚園でしたが、2007年4月から鹿児島県初の幼保連携型認定こども園になりました。そして、2015年に園舎を新しく建て替え、子ども子育て支援新制度施行に伴い、園名を「認定こども園阿久根めぐみこども園」として新たなスタートを切っています。また、2020年4月からは放課後児童健全育成事業「めぐみ楽童」もスタートさせました。
もともとキリスト教会が始めた園ですので、キリスト教保育、目に見えているものだけでなく、目に見えないものを大事にすることが保育の核にあります。今の言葉でいうと「子どもたちが主体的に」となりますが、子どもが子どもらしくあることが大切だと思っています。「子どもは子どもの中で子どもになる」というキャッチフレーズもあり、子どもの子ども時代が充実することを大切にしています。
幼稚園としてのルーツから、先生たちが子どもたちに何かを教えて、子どもたちが成長していくというイメージあるかもしれません。でも、子どもたちは登園してから帰るまで、友だちや先生たち、取り巻く環境の中で遊び、その遊びを通じて成長していきます。子ども同士の関わり、そこに先生や大人がどう関わるのか、子どもたちがより豊かになるにはどうすればいいのかを大切にして、みんなで考えて運営をしています。
現在、在園する子どもたちは定員90名(1号認定40名、2・3号認定50名)のところ105名となっています。スタッフは総勢38名で、給食も園内で調理していますので、栄養士も在籍しています。
保護者も園も負担がなく連絡が取り合える
2020年は新型コロナウイルスの感染拡大があり、一時は非常事態宣言も出されました。園ではどのように対応されましたか?
2019年度(2020年3月31日まで)に関しては、2月から日を追うごとに大変な状況になりつつあり、目前に控えた卒園式、終業式など、大勢の人が集まる行事をどうするかが課題となりました。いまも変わりませんが、やらないことを前提にしないで、どうやったらできるかを考えてきました。
卒園式は例年なら在園児も参加しますが、今回は卒園児とその保護者のみとしました。もちろん、マスク着用や消毒、換気などの対策はしています。式後の茶話会は中止とし、お弁当も園内では食べずに持ち帰りにしました。お弁当自体をキャンセルしてしまうと依頼先の飲食店に迷惑がかかります。キャンセルではなく持ち帰りとすることで、飲食店の助けにもつながると保護者も賛成してくれました。
2020年度、4月以降はいかがですか?
入園式は実施しました。感染予防策をとった上で、新入園児と昨年度途中入園児とその保護者の方に参加していただきました。ただ、時間は短時間で行い、常時換気もしていました。当日は寒かったため、窓際の保護者の方が震えていて、申し訳なく思いました。
緊急事態宣言が出てからは、登園の自粛をお願いしました。保護者の方の職業はさまざまで、地域柄両親ともに働いている方がほとんどですので、登園自粛はお願いしましたが、園はいつも通りの運営を続けてきました。
登園自粛のお願い期間に、登園した子どもたちはどれくらいいたのでしょうか?
3割くらいの子どもたちは登園していました。登園を自粛する子どもたちについては、れんらくアプリで欠席の連絡をいただくようにしました。 保護者も園も大きな負担がなく連絡が取り合えることは、「園支援システム+バスキャッチ(以下バスキャッチ)」を導入していてよかったと感じる点です。バスキャッチがなかったら、一人ひとりと連絡を取る必要があります。各人の日程を表でもらったら、集計が必要でこれは大仕事です。
お仕事の関係で登園自粛ができない保護者の方たちが、預けにくい雰囲気にならないように気をつけるとともに、園として感染予防策は十分にとりました。こうしたイレギュラーな対応が必要となるとき、集計など事務作業に手間を取られることなく対応を進められたのも、バスキャッチのおかげだと思います。
連絡に関してもメール配信で行えますので、登園してきた子どもたちと自粛中の子どもたち両方の保護者に届けることができます。もしも紙をお渡しするやり方だったら、お渡しできないことをどう解決するかでかなりの労力が取られたと思います。
イレギュラーな対応が求められるときに役立ったバスキャッチ
バスキャッチもコロナ対策のお役に立ててうれしく思います。
「夕涼み会」という保護者が主体で行う夏祭りのようなイベントでは、用品注文機能でチケットを販売しました。当日、保護者が作った焼きそばやかき氷を事前に購入したチケットを持って家族で参加して、親子で楽しむものです。
例年7月下旬に開催していましたが、7月初旬に鹿児島市内でクラスターが発生したこともあり、保護者とオンラインで打ち合わせを行いました。その結果、8月の開催として、保護者が作って園内で食べるのではなく、飲食業者に作ってもらい、それを自宅に持ち帰って家族で夕涼み会を行ってもらう、テイクアウト祭りにすることにしました。チケット販売を用品注文機能で行ったのですが、集計も簡単にできてよかったですね。前回までは手計算でしたから、集計は大変でした。
子どもたち、保護者、地域を考えての決断をされていますが、どのような思いでの決断だったのでしょうか?
阿久根市では陽性者は出ていませんので、過剰にならないように常に気をつけています。園は子どもたちの育ちの場です。萎縮してしまってばかりでは、子どもは育たないという思いはあります。一方で保護者の中には行政や医療、介護職の方たちもおり、その人たちの命が最優先だとも考えています。ですから、安心して子どもを預けられる、安心して参加できる方法をこれからも考えていくことになると思います。
お話しを聞いていると、イレギュラーな対応が求められるときこそ、バスキャッチが活用されたわけですね。
そうだと思います。2019年の集中豪雨や台風などで休園せざるを得ない場合も、園ではなく自宅から連絡できましたので、とても助かりましたね。また、バスキャッチはクラウド型で、データが端末に依存していない点も、災害対応を考えるとよい点だと思います。
導入時、丁寧にヒアリングをして、細かく対応
改めて「バスキャッチ」を知ったきっかけを教えてください。
知り合いの園長先生から「ICT、何か入れてる?」と聞かれ、「入れてないよ」と答えたところバスキャッチを紹介されました。「以前使っていた別のシステムはとても使いにくかったけれど、バスキャッチは使いやすいよ」と。そして「これだけ使い倒しても、安い!」とさらにひと押しされました。 以前、他社のシステムを検討した際、システムを運用する端末は限定されて、高い割に使いにくいくそうと感じたことから、こうしたシステムは高くて使いにくいものだというイメージを持っていたのです。
実際の園の管理について、システム導入前はどのようにされていたのですか?
メール配信システムは使っていましたが、管理のためのシステムは使っていませんでした。幼保連携型認定こども園なので、規定の時間で帰る子どももいますし、残りの子どもたちは順次帰っていきます。その降園の時間を手書きで記録していたくらいです。先生たちをはじめ、みんなががんばってくれて、それで成り立っていたのだと思います。業務の軽減のために何かできることはないかと考えていましたが、どうしても何かが必要とまでは考えておらず、いま振り返ると大変な部分がありましたね。
実際にバスキャッチを導入されたのはいつですか?
2018年5月7日から運用を開始しました。その年の1月末にバスキャッチのプレゼンをしてもらい、3月にアカウントを取得。4月に導入の打ち合わせを行い、ゴールデンウィーク明けから運用となりました。ちょうどメール配信システムの契約が切れるタイミングでもあり、メール配信もバスキャッチで行うことにしました。
バスキャッチの導入はスムーズに行えましたか?
引き継ぐデータなどはありませんでしたが、園としてのやり方や行政の対応について、丁寧にヒアリングをしてくれて、細かく対応してくれたところがとても助かりました。導入の打ち合わせで、設定の項目がたくさんあることに驚きました。園によって異なるやり方に細かく対応ができるようになっているのでしょう。
これは導入してからの感想になりますが、園同士で意見交換をすると、行政区分による対応がずいぶんと違います。その違いに対して、「どうやったら対応できるのか」を積み重ねてくれて、常によくなり続けています。不具合があれば修正対応もしてくれますし、私の「もっとこうしたい」にも、対応してくれます。
どんな機能から運用を始めたのでしょうか?
まずは「れんらくアプリ」による「欠席・遅刻・バス不要連絡管理」、「登降園管理機能」、「お知らせメール配信」からですね。 年度の途中からになりましたが、保護者の方にお願いしてスマートフォンにれんらくアプリを入れてもらいました。こちらも試行錯誤の段階でしたので、わからないと連絡があればフォローして、それでもわからないときはVISHに問い合せました。保護者には全員にアプリを入れていただくことができました。
登降園管理に関しては、タブレットを使い管理しています。実際の降園ボタンは保護者の方に打刻してもらいますが、ボタンを表示するまでは先生が行っています。 メール配信は以前も行っていましたが、前のシステムだと私しか使うことができませんでした。バスキャッチは私だけでなく副園長も使えますし、場所も園でなく自宅からでもメール配信ができますので、使い勝手はかなりよくなりました。
バスキャッチ導入の効果について教えてください。
れんらくアプリでの欠席連絡は、いろいろな準備をしている朝の時間に電話連絡を受けることがなくなり助かっています。うちは100名ちょっととはいえ、多い時は1割程度、冬など感染症が流行する時期には2割〜3割近くの子どもたちがお休みすることがあります。すると、連絡を受けるだけで手一杯になり、2本ある電話が休みなくなり続けることもありました。朝の電話対応がなくなったことは助かっているのひと言ですね。ただ、保護者の中には「電話連絡がなくなると、先生と話す機会が減ってしまう」と危惧する声もありました。その点は夕方の時間帯にこちらから保護者の方に電話をいれてフォローするようにしています。
他の機能はいかがですか?
登降園管理では運用開始当初、タブレットなど機器の操作になれていない先生からうまくできるか心配との声がありました。でも、今まではバスキャッチなしでやって来れたわけですから、うまくできなければ時間を書いておけばいいことにしました。それを後で入力すればいいのですから。最初から完璧というよりも、できるところからやっていく方が運用開始時はいいと思います。
メール配信はより積極的に使うようになりました。例えば、以前は紙で渡していた内容、例えば「来週の遠足の準備のお願い」といったものもメールでの連絡に変更しました。PDFに変換して添付したこともありますが、いまでは皆さんスマホでご覧になるので、スマホを意識した書き方にしていきたいと思っています。紙で配る作業もたいへんですし、配り忘れもあります。メール配信だと配り忘れをする心配はありませんので、その分、先生たちの特に事務的な業務効率化にもつながると思います。
また、2021年3月卒園の私の子どもも園に通っています。メールでお知らせを配信してよかったと思ったのは、見返しができることです。「あの内容なんだっけ?」というとき、紙だと探すのが大変です。メールだとタイトルで追っていけばいいだけですから。実は自分で作成しているメールなので、届いたときには読まないことが多いのですが、後で振り返って確認するときに、見返しができる便利さに気づきました。
2020年からは口座振替機能など他の機能も利用されていますね。
まだ始めたばかりで、試行錯誤の段階です。口座振替については、以前の振り替えデータの引き継ぎをしました。 また、たくさんある機能のうち、つまみ食い的に使用している機能もあります。例えば指導要録は表紙のみ使って、中身は先生たちが様式に沿って作成しています。保育料無償化への対応で、毎月市に書類提出の必要があり、そうした書類はバスキャッチで作成しています。
今後、使っていきたいとお考えの機能はありますか?
連絡帳機能をちょっと考えています。入園したばかりの小さい子どもの保護者とは毎日やりとりがありますし、関係を築くにはいままで通りの連絡帳がいいと思います。ただ、それ以外の連絡事項は共有されにくいので、機能として取り入れるのもありかなと検討中です。
バスキャッチは園がシステムに合わせる必要がない
他園の園長先生から「バスキャッチはどうですか?」と聞かれたら、なんと答えますか?
他社システムを使っていないので比較はできませんが、「いますぐ導入してもいいんじゃないですか」とお話ししますね。不満を持ったことがありませんし、コスト、維持費が安価ですみますから。何かシステムを検討するなら、必ずバスキャッチを見てから決めた方がいいと思います。うちは100名ちょっとですが、300名、600名という園児がいる園でも十分に活用していますから、システムの安定性もあると思います。
またシステムに疎い世代の先生もいらっしゃると思いますが、わからない言葉を使った説明はされませんし、丁寧に園のやり方を聞いてくれます。その園にいかに対応できるかを考えてくれます。ですから、園がシステムに合わせる必要はありません。できないことはできるよう検討しますと言ってくれますし、気がつけばできるようになっていたりします。バスキャッチは本当に使っている人たちが作り上げているシステムだと思います。
最後に「バスキャッチ」及びVISH株式会社へのご要望などありましたらお願いします。
バスキャッチにはできることがたくさんあります。使う側が細かくやらなければ上手く反映できない部分もあり、こちらでやろうとしたときに困ることもありますね。ただ、VISHのサポートに相談すれば、どこまでできていて、ここを入れれば完成します、と丁寧に教えてくれます。FAQもよくできているので、そちらでこと足りるときもあります。
バスキャッチは多くの園が使っていますし、もっと使って欲しいと思う反面、ユーザーが増えても丁寧な対応でいて欲しいと思います。一般のシステムだと営業担当に聞くとシステムから連絡させますと、結局迂回しないと連絡が取れないことも多いと聞いています。バスキャッチに関する丁寧な対応が好感度にもつながっていると思いますので、ぜひ丁寧な対応を続けて欲しいと考えています。
認定こども園 阿久根めぐみこども園様、本日はお忙しい中貴重なお話をありがとうございました。
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- 阿久根めぐみこども園のホームページ https://akunemegumi.jp/
取材日時 2020年11月